映画館で共有する高揚感、音楽と映像が一体となるライブ、銭湯に流れるBGM。ポッドキャスト『閑話動題』#001で、ナビゲーターのKakkaとRio Okawaが、身近な体験から「音と空間の関係」を語り合った。

2023年10月26日に公開されたこの回では、映画『君たちはどう生きるか』の劇場体験や、長谷川白紙、青葉市子の音楽が話題に。近況を尋ねる何気ない会話は、その場所だからこそ生まれる体験へと広がっていく。

『閑話動題』#001を聴く(14分03秒)

映画館の魅力は、スクリーンの外にもある

Rioが近況として挙げたのは、映画館で観る映画の良さに気づいたこと。そのきっかけが、公開初日に足を運んだ『君たちはどう生きるか』だった。

Rio Okawa:「映画館で見る価値のある絵だったよね」

作品の内容には踏み込まず、まず語ったのは劇場で観る映像の魅力。そして、強く印象に残ったのは客席の様子だったという。

隣には、一人で来場し、上映中にくすくすと笑っている観客がいた。ほぼ満席の場内では、エンディングを聴かずに席を立つ人もわずか。作品を楽しみにしていた人たちが同じ場所に集まることで、客席にも一体感が生まれていた。

Rioは、その空気を含めて公開初日に観に行く良さを感じたと振り返る。Kakkaも試写会ならではの特別な空間を例に挙げ、映画館という場所が体験にもたらすものにうなずいた。

黒いシャツ姿でマイクを持って話す人物
Photo: RYOSUKE AKAGANE

長谷川白紙のパフォーマンスに感じた、音と映像の一体感

一方、Kakkaは仕事で音楽フェスの現場に足を運んでいた近況を報告。そこから話題はフジロックへ移り、RioはSNSで目にした長谷川白紙のパフォーマンスについて語った。

Rioが注目したのは、演奏に加えてVJも含めた総合的な表現だった。音楽と映像が一体となった姿に、さらに一皮むけたような印象を受けたという。

Kakkaも、長谷川白紙についての記事を読んで関心を持っていたと話す。会話は、音そのものへの探究から、音が置かれる場所の重要性へ。映画館の話とつながるように、何を観るか、何を聴くかとともに、それを体験する空間へと視点が向かっていく。

銭湯に青葉市子がなじむ。その感覚から音作りを考える

空間と音楽の関係を、より身近な場面で感じているのがRioだ。勤務先の銭湯で選曲をする中で、曲と場所の合わせ方を考えることが増えたという。

音数の少なさも一つの要素だが、Rioが気にしているのは、それだけではない。パートを個別に作って重ねた制作の手順を強く意識させない曲が、その場のBGMとしてしっくりくることがある。自身の感覚に合う例として、青葉市子の音楽を挙げた。

Kakkaが例にしたのは、ドライブ中に聴く音楽。車内にはすでにエンジン音や車の音がある。そこへ音楽が重なったときに、ぴたりとはまる瞬間があるのではないかと話す。

この発想は、ポッドキャスト自体の音作りにもつながった。Kakkaは、今回の会話を編集するときに、心地よいと感じる場所へ音を加えてみたいと提案する。

Kakka:「俺が今ここ気持ちいいって思ったところに気持ちいい音を入れていく」

話題に合わせた分かりやすい効果音や、決まったジングルを入れるというよりも、その瞬間に合う響きを探していく。二人はさらに、銭湯やサウナで聴きたくなるポッドキャストの可能性にも話を広げた。

「結局盛り上がるのはオタク話だろうし」とRio。映画、ライブ、日々の選曲を行き来しながら、好きなものについて掘り下げていく。そんな二人の会話は、約14分のエピソードで聴くことができる。

本記事は『閑話動題』#001(2023年10月26日公開)の会話をもとに構成しています。